チシマウスバスミレ(千島薄葉菫)
<学名:Viola hultenii W.Becker>


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                    影日 2021.06.06: 長野県

環境省カテゴリ: 絶滅危惧Ⅱ類(VU) 

千島列島、サハリン、カムチャツカ半島南部等に分布し、
日本では北海道の東部、低地に生育、本州(早池峰山
五葉山・鳥海山・朝日山地・駒止湿原・尾瀬・足尾山地
横根山・長野県カヤの平など山地から亜高山帯の湿原
または湿地のミズゴケ床に生育)に分布する。
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環境省絶滅危惧種(絶滅危惧Ⅱ類(VU))に指定されている
高さ5~8cmの地上茎のないスミレ。 
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葉は1~2枚、開花前に展開する。質の薄い腎円形で
長さ1~3cm、先は円頭またはやや尖り、基部は深い心形、
縁にはやや粗く低い鋸歯がある。
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表面は鮮緑色で、細い毛が散生、裏面はわずかに短毛があるか
無毛。
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開花の後、細長い匐枝を伸ばし、先端に新苗をつけて
増えるので小群落となっていることが多い。

花期は5~6月。展開した葉の間から花柄を出し径1~1.5cmの
白色の花をつける。
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上弁は反り返り、側弁の基部は無毛または有毛、
唇弁には紫条がある。距はやや細く短い。
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萼片は卵形から披針形で、付属体は全縁。
花柱はカマキリの頭形になり、上部の両翼が左右に短く張り出す。
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別名をケウスバスミレも呼ばれ同じスミレ属ウスバスミレ節で
近縁のウスバスミレによく似る。そっくりでほとんど見分けは
つかないほど。ウスバスミレを基本種とする変種とされたことも
あるが、現在は独立種とされている。
 
チシマウスバスミレは葉の縁や表面に        ウスバスミレの葉には
毛があり、ときに
裏面にも生えることがある     両面ともに毛が生えない。


鋸歯はやや粗い低平な鋸歯             ウスバスミレは鋸歯の上下が
                         重なりあう。
生育環境が異なり

亜寒帯から冷温帯のミズゴケ湿地          ウスバスミレは、亜高山帯
                         針葉樹林の林下の湿った
                         コケむす場所