解説記事 ⇒ アオイスミ


アオイスミレ(葵菫)
<学名:Viola hondoensis W.Becker et H.Boissieu>
スミレ科 スミレ属 多年草






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主な分布域は日本国内で北海道から九州の宮崎県にかけて分布し、
西日本の太平洋側には少ないという

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地下茎は太くてごく短く、根出葉をつけ、立ち上がって
葉をつける茎はない。ただし蔓状の匍匐茎を盛んに出し、
多数が地表を覆うように増える

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丘陵や低山の道ばたや明るい森林内や林縁部に多く、
やや湿ったところを好む。

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全体に白く荒い毛が多い

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葉柄は葉身より長くて、葉身は丸っこい卵形、基部は心形、
先端は鈍く尖るがあまりはっきりせず
、場合によっては
フキの葉のようにどこが先端かわからないような形になる。
葉の表面は葉脈に沿って少し窪み、縁には波状の鋸歯がある。
葉柄には逆向きの毛が多数あるのも特徴である。

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葉は春には小さくて長さ2-3cm、夏には大きくなって5cm以上になる。
スミレ類の葉は春の開花期より、夏の葉が大きくなるのは、珍しくないが、
アオイスミレではその差が著しい。

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托葉は披針形で細長い鋸歯がある。

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花は春早く(花期は3~4月)に咲き、それ以降は閉鎖花のみをつける。
開花時期はほか
のスミレ類よりも早い

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通常の花は根出葉の間から生じ、長い柄を持つが、あまり伸びず、
広がるようにして咲く。(葉の間で咲いているような感じ)

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花は白地に紫がかり、ほとんど白くて紫の筋が入るものから
全体に紫を帯びるものまである

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開花時期は葉も小さいものしかないので、ごく背の低い草姿である。
そのため、花茎があまり立ち上がらなくても花はよく目立つ。

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萼片は狭い長楕円形で毛があって付属体には切れ込みなどがなく丸い

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花弁は長さ10-13mm、上弁はウサギの耳のように上にぴんと立っている
側弁には少し毛があり、唇弁には紫の筋状の斑紋がある。
距は長さ3-4.5mm。

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柱頭(雌しべの先)がかぎ形に曲がっている。

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花後は茎が匍匐して蔓状に伸びて蔓の先には新たな株を作る。

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ちょっとピンボケで・・・  わかるでしょうか

果実は他の多くのスミレ類のように葉の上に伸び上がって上を向かず
逆に下を向く。特に閉鎖花では柄も短く、地表に転がるように熟す。
果実は非常に丸くなって熟し、径5-6mmで肉質、荒い毛を密生する。

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果実が三つに割れて種子が姿を見せても、裂片は舟形に狭まらず、
平らに広がる。そのために種子がはじき飛ばされることがなく、
そのまますぐ下にこぼれ落ちる。種子は白っぽい色をしており、
これはニオイスミレ類の特徴でもある。また大きな種枕(エライオソーム)
があり、アリに運ばれることで散布すると見られる。

(下の画像の赤丸印箇所の白いものがエライオソームです。)
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エライオソームについては ⇒ エライオソーム

名の由来は葵菫で、葉形が"葵の御紋"の葵(フタバアオイ)に
似ることによる。

フタバアオイの葉
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別名をヒナブキ(雛蕗)といい、これは特に大きくなった時期に
その葉がフキに似ることから、小さな蕗、との名である。




西洋のスミレで有名なニオイスミレに近縁なもので、
近縁種の多くはユーラシア大陸に分布し、
日本では他にエゾアオイスミレ <学名:Viola collina Besser>がある
種内変異もあり、特に北海道のものは最近発見されたもので、
変種扱いすべしとの声もあるようである。
エゾアオイスミレは冬に地上部が完全に枯れる点ではっきりと異なる。
分布は日本では本州中部の高地から北海道に分布し、
見られる場所は少ないが、国外では東アジアに広く知られ、
その分布はアオイスミレよりむしろ広い。
いがりまさし氏は、おそらく日本の湿潤な気候に合わせて
特化したのがアオイスミレであろうと述べている。




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